2012年7月3日火曜日

活動報告(6月・資源と外交)

こんにちは、<資源と国際政治>分科会の参加者の神場です。
6月23日(土)には全体ミーティングも終え、アラムナイや他の分科会の方々から様々なフィードバックを頂き、話し合いが本格化してきました。
それでは、私たちの分科会の活動報告をさせて頂きます。

1.フレームワークづくり
まずはじめに、私たちは、この分科会の意義を
「日本と中国、それぞれの将来のリーダーが、現在多くの紛争の原因となっている資源の問題について話し合うこと」
と定め、
「資源をめぐる利害対立の本質を見極め、対立している国同士の主張とその根拠の違いを明らかにし、将来の解決への展望を探る」
ことを目的としました。
そして現在、この意義・目的にかなうサブトピック(ケーススタディ)を選んでいるところです。
今残っているものは3つ、
①レアアース禁輸問題
②東シナ海の海底資源問題
③南スーダンの開発の問題
です。
①レアアース禁輸問題
…日中双方がステークホルダーであり、また時事ネタとしても割と新しいもので、熱い議論が期待できます。自国の資源を政治的パワーとして利用することはどこまで許されるか?という、モラルに関する抽象的な議論にも持ち込めることが予想されます。
②東シナ海の海底資源問題
…こちらも日中の対立がはっきり見て取れ、議論する価値は十分にあると思われるものの、
①と違って概念的な議論にはつながらなさそうであることと、①②のふたつだとトピックとしてやや独自性に欠けることが懸念点です。
③南スーダンの開発の問題
…これは少し説明が必要かもしれませんが、ここで指しているのは、南スーダンが独立をめぐって紛争状態にあるときにも中国はスーダン・南スーダン地域で石油開発を盛んに行ったため人権を無視していると非難され、その後も南スーダンに融資を続けていることに関する問題です。南スーダンにおける問題に限らず、アフリカ諸国でも、その他の地域でもよいのですが、国際社会における中国の振る舞いについて、といえます。自国の利益のために他国の利益を無視してもよいのか?という、モラルに関する議論につなげられるでしょう。また、これは独自性のあるおもしろいトピックだと思います。
以上3つの中から、北京大側とも話し合って2つに絞り込もうとしています。(3つのままの可能性もありますが)

2.勉強会
まずはトピックとして扱うことが確定的なレアアース問題についてから勉強を開始します。
資源の政治的利用について、レアアースの現状について、などを各自が調べてきて発表し、その後皆で議論する、というゼミ形式をとります。
それとは別に、OECD Trade Policy Studies “The Economic Impact of Export Restrictions on Raw Materials” を読み進め、基礎知識を得たいと思います。
ある程度勉強が進んだところで、サブトピックごとのフレームワークを固めていきます。


以上をもって、<資源と国際政治分科会>、6月の活動報告とさせて頂きます。

神場

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